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[『VISIONS OF JAPAN』刊行:日本のコンテンポラリー写真家たち/日本カメラ1998年9月号:118]


 このところ積極的に写真集を出している光琳社から、日本のコンテンポラリー写真家をラインナップした、『VISIONS OF JAPAN』というシリーズが刊行されている。
 第一期のタイトルは、東松照明、荒木経惟、猪瀬光、柴田敏雄、上田義彦の5人。約100ページのボリュームの中に、それぞれの作家の特徴をコンパクトに収めた体裁のこうした写真集は、洋書などではよくみかけるが、日本ではこれまでにあまりなかったもので、コンテンポラリー写真家の作品を、こうして手軽に見られるようになったことは喜ばしいことだ。また、このシリーズには、充実した年譜も付されているので、それを通して作家についての理解を、より深めることもできるようになっている。
 予定では2000年の4月まで5期に分けて刊行され、これから古屋誠一、森山大道、田原桂一、倉田精二、植田正治、畠山直哉、伊奈英次、普後均、今道子、宮本隆司、高橋恭司といった、興味をそそるタイトルを予定しているこのシリーズは、写真家の属する世代やコマーシャル、シリアスといった枠組みを超え、日本現代写真の在りようを照し出す可能性を秘めているだけに、期待がふくらむところだ。