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[ON THE BOOKS1:おすすめアメリカ写真雑誌/アサヒカメラ1989年1月号:131]


 断片的には写真雑誌や写真集で紹介されているアメリカの写真だが、それだけでは具体的な動きがどうしてもつかみにくいのが実状であろう。ではその動きをフォローしていくにはどうしたらよいのだろう。簡単な方法としてアメリカの写真関係の雑誌を定期購読するという手がある。アメリカの雑誌は定期購読すると一般的に30%〜50%位割引きされるので、日本で定期購読しても洋書店で購入するよりもかなり割安だし、自宅まで郵送されてくるので手間もかからない。銀行でドル建の小切手を作ってもらい、ローマ字で書いた自分の住所と定期購読をしたいということを明記して送れば2〜3ヵ月後には定期的に雑誌が送られてくるというわけで、手続きは意外と簡単だ。そこでお勧めの雑誌を三冊ほど紹介したい。

 「AMERICAN PHOTOGRAPHER」は豊富な写真を使ったいくつかの特集とともに新刊・写真展・ワークショップなどの情報も載せられている。またカメラの広告なども日本でのものと違っていて眺めているだけでも楽しい、気軽に見られる月刊誌である。

 写真集の出版でも有名なAPERTUREでは同名の「APERTURE」という雑誌を季刊で出している。各号特集があり、最近の号では「ヒーローの復活」「スイマー」「物語の語り手」などのタイトルのもとに写真がディレクションされており論文とともに載せられている。雑誌といっても写真集に近い体裁で写真が扱われているのでぜひ揃えておきたい本である。APERTUREで発行される写真集もここでいち早く紹介されることが多い。

 そしてマニア向けのものとしてはアリゾナ大の写真機関が出している「THE ARCHIVE」がある。最近の号の特集は「ラルフ・ギブソンの初期の写真」や「迷宮」と題された写真にまつわる文書の研究など。少し内容はハードだが見応えのある特集が多い。