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[穴語:穴 & サイズ/日本カメラ2005年9月号:211]


[穴]

 フィルムカメラ時代は、カメラの穴といえば、レンズマウント、ストロボ接点、三脚穴くらいのものだったが、デジタル時代にはこれに、メモリカードスロット、USBポートなどが加わるようになった。さらに、パソコンには、IEEE1394、USB、LANなどの各種ポート、CD/DVDドライブなどがあり、写真をめぐる環境も、接続や読み書きのための穴だらけになっている感がある。デジカメに使われているメモリカードだけでも、新旧含めると10種類前後の規格があり、ややこしいことこのうえないが、そういうものなのでしかたない。間違ったものを買ったりしないように、自分が持っている機器に対応している規格をしっかり確認しておこう。
 これだけ規格が乱立していると、機器のさまざまな穴に、間違ったものを挿れないことも重要。入りそうな穴があると何となく挿れてしまうのが人間の常のようで、マウントに違う規格のレンズをねじ込んでとれなくなったとか、MOドライブにフロッピーディスクを挿れてとれなくなったとか、CDスロットにCDシングルを挿れてとれなくなったとか、笑えない話が後を絶たない。わからない場合は、挿れる前にマニュアルなどでよく確認しよう。そして万一、間違って挿れてしまった時には、素人が力ずくで無理矢理出そうとすると取り返しのつかないことになる場合もあるので、メーカーサポートなどの専門家に相談した方がいい。
 電気的な端子の場合、以前は電源を切ってから抜き挿しすることが鉄則だったが、最近は通電したままでも抜き挿しできる、IEEE1394やUSBなどホットプラグ対応の規格も増えてきた。とはいえ、ホットプラグ対応ではない規格を通電中に抜き挿しすると、致命的な故障につながることもある。電源を切ってから抜き挿しすることを基本にして、通電中に抜き挿しする場合には、ホットプラグ対応かどうか確認してからにしよう。

[サイズ]

 写真の世界には35mm・ブローニー判・4x5といったフィルムサイズがあり、ブローニー判にはさらに6x4.5・6x6・6x7・6x9といった撮影サイズがあり、また印画紙には全紙・半切・四切・六切・キャビネといったサイズがある。例えば、シノゴ(4x5)はインチだが、ロクロク(6x6)はセンチなので、4x5の方が6x6より大きいし、半切は全紙の半分というわけではなく、四切の4倍は全紙ではなく大全紙という具合に、これらの呼称にはあまり法則性がないだけでなく、縦横比もばらばらなので、はじめて聞いた人には、たいへんわかりにくく、選びにくいに違いない。
 これに比べると、デジタルのプリンタ用紙としてもっとも普及しているA判系列のサイズは、ひじょうに合理的。ドイツを起源とするこの規格は、比率が1:√2というルート矩形になっているので、A3判でもA4判でも縦横比が変わらず、A4判はA3判の半分、A5判はA4判の半分というように、法則性もわかりやすいのである。
 その一方で、複雑怪奇なのがデジカメの撮影サイズだろう。2240×1488画素・1728×1152画素などと言われても、なじみがないと皆目見当がつかない。加えて設定には、圧縮率によるFINE・NORMALといったモードもある。よくわからないと、ついつい最高画質で撮れるモードに設定したままにしがちだが、そうしたモードではファイルサイズも数MBと大きくなり、結果的にメモリカードやハードディスクなど記録媒体への出費もかさむことになる。せいぜい2Lサイズ程度にしかプリントしない家族スナップなど、最高画質で撮る必要がない場合も多いはず。サイズはデカければいいというものでもないのだ。