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[穴語:イメージサークル & ブログ/日本カメラ2005年8月号:227]


[イメージサークル]

 写真は四角だが、レンズは丸い。考えてみると、ちょっと不思議である。レンズが丸い以上、像も丸いのだが、フィルムがそれを四角く切り取っているので、写真は四角くなるのだ。何だか無駄な感じもするが、四角いレンズや、丸いフィルムは、作りにくく扱いにくいに違いないので、レンズは丸く、写真は四角いというのは、やはり合理的なのである。
 フィルムに四角く切り取られる前の丸い像は、イメージサークルと呼ばれている。4x5判など大型カメラ用のレンズは、フィルムサイズより大きいイメージサークルで作られており、この余裕の範囲でフィルム面を動かすのが、いわゆるアオリ。35mm判やブローニー判の場合、たいていのレンズはフィルムサイズぎりぎりのイメージサークルで作られている。だから、35mm一眼レフ用のレンズを、35mm判より小さいCCDを使ったデジタル一眼レフに使うことはできても、逆に、デジタル一眼レフ専用のレンズは、35mm一眼レフには使えないといったことが起きる。
 イメージサークルで考えると、35mm一眼レフ用の標準レンズが、デジタル一眼レフでは望遠レンズになってしまう理由もわかりやすい。イメージサークルの真ん中部分のみを使うことになるから、当然画角は狭くなるのである。例えば、焦点距離90mmのレンズが、4x5判では広角、ブローニー判では標準、35mm判では望遠になるのも、同じように考えることができる。

[blog]

 インターネットの掲示板などでは、過去の書き込みを「過去ログ」と呼ぶが、この「ログ」とは、もともとは航海日誌や、コンピュータの入出力データの記録を指す言葉。最近よく耳にする「ブログ(Blog)」とは「ウェブログ(Weblog)」の略で、要するにウェブ上の日記(ログ)のようなもの。
 ブログの特徴として、特別なソフトがなくてもWebブラウザから記事や写真を更新できるほかに、読者が記事に投稿できる「コメント」や、誰かの記事に自分の記事へのリンクを張れる「トラックバック」といった機能がある。現在では、多くのプロバイダや無料サービスでブログ機能が提供されているので、ブログとは何かを知るには、いろいろなブログを覗いたり、自分ではじめてみるのが手っとり早いだろう。
 誰でも簡単にすぐはじめられて楽しい、という謳い文句のブログだが、この謳い文句、どこか聞き覚えがある気がしないだろうか。以前、無料ホームページサービスがたくさん登場したときの謳い文句もこれだった。そして、その結果生まれたのは、コンテンツがほとんどないホームページの残骸の山。日記であろうと、ホームページであろうと、ブログであろうと、継続が命、継続は力なり。メディアが変わっても、このことは変わらない。でも、継続するって難しいんだよね…。