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[CAUTION!! ホコリ・カビ対策はこれだ!! ホコリ・ゴミ対策の王道はブロアー!/日本カメラ2005年6月号:152-153]


断面図

 単純な構造に見えるブロアーだが、空気逆流防止弁によって一回で大量のエアーが噴射されるように、工夫が凝らされている。内部からゴミが発生しないように、内部がなめらかであることも重要だ。写真のように切って確かめるわけにもいかないので、信頼できるメーカーのものを選びたい。写真のブロアーは、耐久性に優れたラテックスを使用した、もっとも高価なモデル。触りごこちもしっとりしており、手によくなじむ。

本文

 はたしていつ頃から使われてきたのかわからないが、ブロアーほど息の長い製品も珍しいのではないだろうか。あまりに息が長い製品であるがゆえに、ほとんど意識することもないが、いっさい無駄がないデザイン、直感的に使用方法がわかるその形態は、究極の完成度を感じさせるものでもある。
 デザインや使い方を意識させないということは、つまり、あたかも手の延長のような感覚で使えるということ。最近ではスプレー式のエアーダストクリーナーもかなり手軽に買えるようになってきた。だが、それでもいまだにブロアーがメンテナンスの主役であるのは、どんな角度からでも使え、力の入れ加減ひとつで、感覚的に自在に風量があやつれるからであろう。
 このように万能にも思えるブロアーだが、注意すべき点もある。長期間使用していると、劣化した素材が内部で剥がれてきて、ゴミとして出てくるようになることがあるのだ。ゴミを吹き飛ばすためのブロアーから、ゴミが出ては本末転倒。シンプルなものなので、ついつい長く使ってしまいがちだが、ブロアーにも寿命がないわけではない。外側が劣化してきたと感じたら買い換え時だろう。また、時々は白や黒の紙に吹き付けてみて、内部からゴミが出ていないかチェックしておこう。レンズやカメラ内部などデリケートな部分には、専用のブロアーを一個用意しておくのもおすすめだ。
 ところで、ブロアーにはブラシの付いたブロアーブラシという製品もあるが、これを使うときには気をつけなくてはいけない。というのは、手の油などが付いたブラシでクリーニングすると、逆に汚れを付けていることになるからだ。ブロアーブラシの場合は、ブラシ部が汚れないようにしっかりと保管しておこう。それができないのなら、通常のブロアーの使用だけにとどめておくのが無難だ。