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[穴語:ホームページ & ストレージ/日本カメラ2005年2月号:214]


[ホームページ]

 日本ではWebサイトをホームページと呼ぶ誤用が慣用として定着しつつあるが、本来はWebブラウザを起動したとき最初に表示されるページ、あるいはWebサイトの起点として表示されるページを指す言葉。つまり、日本の多くのWebサイトでトップページと呼ばれるているページが、本来のホームページなのである。また、ホームページをHPと表記するのは和製略語で、海外でHPと言ったらプリンタなどで知られるヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)社以外のものではない。
 ところで、Webサイトとは何だろう。WebブラウザのURLの欄を見ると、http://www.nippon-camera.com/qa.htmlなどとある。httpはHyperText Transfer Protocol、htmlはHyperText Markup Languageの略だが、このハイパーテキスト(HyperText)とは、画像や音を埋め込むこともできる複数の文書を相互にリンクできる仕組みのこと。世界規模の分散型情報システム(www)のなかで、ハイパーテキストの所在を指定するのがURL(Uniform Resource Locator)というわけだ。そして、こうした共通の決めごとの背景には、専門家が情報を専有するマシーンになっていたコンピュータを、個人が自由に情報を相互活用できるものへと開いていこうとする、カウンターカルチャーの精神が流れている。米国防総省の研究が起源と言われるインターネットが、今日のように身近なものになっているのは、この自由と共有の精神があればこそ。
 この精神を理解していない、わかりやすい例は、リンクフリーや無断リンク禁止といった日本のWebサイトでしか見られない表記だろう。そもそもリンクは自由なものであり、無断でリンクされたくなければ公開しなければいいのだから、そうした表記はナンセンスそのもの。こうした例だけではなく、特定のWebブラウザでしか見られない独自な仕様、勝手な略語など、すべてのローカルな決めごとは、嫌われたり批判されたりすることがある。自由な空間だと言われるインターネットだが、その自由を損なうような自分勝手な自由には思いのほか厳しいことを覚えておきたい。

[ストレージ]

 もともとは、ハードディスクやMO、CD-Rなど、データやプログラムを記憶する装置の総称。最近の写真の世界では、デジカメのメモリカードから画像を転送して保存する、ハードディスクなど大容量メディアを内蔵した機器を指す。保存した画像を見るビューワー機能など、付加機能がある製品もある。
 パソコンより小型軽量で、メモリカードを何枚も持ち歩く必要がない、と書けばいいことずくめのようだが、パソコンとメモリカードの中継的な役割なので、作業がワンステップ増え、電源の心配もまた一つ増えることを考えると、便利なことばかりでもない。何よりも、パソコンのようにさまざまな作業ができるわけではない割には、今のところそれなりに高価なのが悩ましいところだろう。とはいえ、デジカメのヘビーユーザーにはメリットが大きい機器であり、成熟途上なので今後の動向が期待される機器でもある。