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[インターネットを活用して写真を楽しもう!:厳選!お役立ちサイト31/日本カメラ2002年2月号:180-187]


[はじめに]
 パーソナル・コンピュータとインターネットの世界の変化は、ドッグイヤーと呼ばれるように目まぐるしい。変化を追うことばかりにとらわれては本末転倒だが、ここ1、2年の変化で、写真にまつわる活用法が大幅に拡がって来たことも確かだ。今回はいろいろな角度から、写真に役に立ちそうなサイトと、活用のヒントを紹介してみよう。

〈TIPS-ブロードバンド〉
 昨年の流行語にも選ばれたブロードバンド。数年前には手がとどかなかった高速常時接続環境だが、このところの価格競争とエリア拡大で、かなり身近なものになってきた。特に写真に関しては、見るのも、送受信するのも軽快になり、高速接続のメリットは大きいだろう。ブロードバンドのニュースとISP(プロバイダ)の検索サイト「RBB TODAY」では、自分の郵便番号を入力するだけで、提供されているブロードバンド・サービスの会社、速度、価格などを一覧することができる。一度チェックしてみよう。
*http://www.rbbtoday.com/

[検索エンジン]
 情報の宝庫と言われるインターネット。しかし膨大な情報の海を前にして、呆然としてしまうこともありがちだ。そうならないために必須なのが、検索エンジンの活用。現在もっともポピュラーなのは、抜群のヒット率を誇る「google」だろう。探しているものが見つけやすい検索エンジンであることも確かだが、"404 Not Found"などと表示される、削除されてしまったページや、変更されてしまっているページも、"キャッシュ"をクリックすれば、保存してあるデータを表示してくれるのが便利。また、"史上最強のイメージ検索"を自称するイメージ検索も面白い。例えば、"荒木経惟"でイメージ検索してみると、かなり正確に作品や自身の写真を拾ってきてくれた。
 「google」が検索機能に特化しているのに対して、「Yahoo!」「infoseek」「excite」「Lycos」といった従来の検索エンジンは、インターネットの入り口としてのポータルサイトとして機能を充実させてきている。フリーメールやフォトアルバムなどはもちろん、天気予報、地図、路線、辞書検索など豊富なサービスがあり、使いこなせばかなり便利。また、自分好みにカスタマイズする機能も備えている。ほとんどが無料で提供されているサービスなので、いろいろと試して、好みに合ったサービスを提供してくれている検索エンジンを探してみるといいだろう。
*http://www.google.com/
*http://www.yahoo.co.jp/
*http://www.infoseek.co.jp/
*http://www.excite.co.jp/
*http://www.lycos.co.jp/

〈TIPS-スペースで複合検索〉
 検索でつまずきやすいのが、適切なキーワードが思い浮かばずに、なかなか欲しい情報が得られない時だろう。所詮は機械がやっていることなので、その検索エンジンのクセを覚えるのも有効だが、検索窓の横などにある"検索オプション"や"スーパーサーチ"といった項目を一度見てみると、"〜を含み、〜を含まない"などと条件を絞っていく、一歩すすんだ検索テクニックを知ることができる。そこまでは面倒、という場合でも覚えておきたいのが、ほとんどの検索エンジンでサポートしている、キーワードをスペースで区切って入力する複合検索。例えば、"桜"で検索すると桜という文字を含む花の桜とは関係ないページまでヒットしてしまうが、"桜 名所 東京"というふうに入力すれば、東京の桜の名所にヒットする確率がかなり高まる。

[デジタルカメラ]
 デジタルカメラもかなり一般的に普及してきたが、続々と新製品も出ているので、どれを買ったらいいのか迷うことも多いだろう。デジタル関係の情報は、速報性の点でインターネットの得意とするところ。サンプル画像などが用意してあるメーカーのサイトも多いので、お目当てのデジカメがあれば、一度チェックしておきたい。また、すでにデジカメ、プリンタ、パソコンを持っているのであれば、自分が使っているメーカーのサイトはたまに見ておくといいだろう。不具合の情報掲載や、アップデータの配布などが行われている場合があるからだ。
 メーカーのサイトは検索で簡単に見つけられると思うので、ここではそれ以外のサイトを紹介しておこう。カメラの記事でもよく知られている山田久美夫氏の「digitalcamera.gr.jp」は、トップページに最新情報がアップされているほか、発売予定一覧、実販価格、ランキング、コンテスト、ギャラリー、トラブル情報、リンク集といった充実したコンテンツ。フォーラムでは活発に意見交換がなされている。そうした意見交換の場としては、メーカー別コーナー、デジカメニュース、ホームページ宣伝コーナーなどの掲示板がある「デジカメでしょっ!」、初心者導入相談、特価情報、画像ストックなどの掲示板がある、文月凉氏が管理人を務める「よろずデジカメ会議」といったサイトも、ユーザーの生の声がわかって興味深い。
 デジタル機器の価格の変動は激しく、買い時を悩むのではないだろうか。そんな時は、有名な「価格.com」などで販売価格の相場を調べておくのがいい。定期的に見たり、欲しい機器の最安価格が変動した時に知らせてくれる"お知らせメール"を利用したりすると、買い時の参考にもなる。中古機器を探す時は、「Yahoo!オークション」が面白い。出品、落札には使用料がかかるが、見るだけなら無料なので、一度覗いてみると、出品されているもののバラエティに驚くだろう。
 インターネットやパソコンなどのデジタル機器の情報サイトの、「ZDnet」「CNET」「IMPRESS」などは、新製品の情報がいち早く掲載されるほか、製品レポートなどの記事もありおすすめ。日々膨大な情報が更新され掲載されているので、そうしたサイトが発行するメールマガジンを購読して、めぼしいトピックを見るのがいいかも知れない。
*http://www.digitalcamera.gr.jp/
*http://www.sh.rim.or.jp/~degicame/
*http://www.so-net.ne.jp/DCEXPRESS/bbs/
*http://kakaku.com/
*http://auctions.yahoo.co.jp/
*http://www.zdnet.co.jp/
*http://japan.cnet.com/
*http://www.watch.impress.co.jp/

〈TIPS-フリーメール〉
 メールマガジンをいくつか登録すると、毎日多くのメールが届くことになる。これが煩わしく感じる時や、メーリングリストや掲示板で発言する時に不特定多数の人にアドレスを知られたくない時などは、ブラウザ(Internet ExplorerやNetscape Communicator)上で使う無料のWEBメールアドレスを配信先にするのも一案。こうしたフリーメールサービスは、検索サイトをはじめ多くのサイトで提供されているので、自分がよく使うサイトの使い勝手のいいものを選ぶといいだろう。
 
[撮影]
 インターネットで、撮りたいものをキーワードで検索して、漠然といろいろな情報を探したりするのも面白いが、常に新しい情報を提供してくれるサイトを見つければ、季節の被写体を探したりするのにも最適だ。ディレクトリ型検索エンジンの"Lycos>地域情報>レジャー情報"は、初日の出スポット、初詣スポット、紅葉・紅葉狩り、祭り、お花見、トレンディスポット、夜景スポットといったカテゴリがあり、撮影スポットを探したりするのにもちょうどいい分類がなされているようだ。例えば、ここからさらに、"お花見>うめ"をクリックしてみよう。「水戸の梅まつり」「熱海梅園梅まつり」「湯島天神梅まつり」といったサイトが紹介されている。そういったサイトで、行事予定や写真をチェックしておくと、撮影プランもねりやいのではないだろうか。梅や桜などは時季が近づいてくると、開花速報サイトも多く登場してきて、リアルタイムに写真で様子を確認できたりするのは、まさにインターネットならではだろう。
 撮影プランをねっていて気になるのは、やはり天気。天気予報サイトも数多いが、日本気象協会が提供する「防災気象情報サービス」は、注意報、警報、天気予報、季節予報だけでなく、ひまわり画像、アメダス、天気図も見ることができて、こうした情報から天気を読むことができる人にはぴったりだろう。
 撮影地を調べたりする地図に関しては、紙の地図とパソコンの地図、一長一短だと思うが、パソコンの地図ならではのメリットは検索の容易さだろう。「マピオン」や「MapFan」では、住所や駅からだけでなく、郵便番号からお目当ての地図を検索することができ、そこから公共施設や最寄り駅、さらに飲食店、宿なども探せるのが大変便利。
 路線案内も検索サイトなどから多く提供されているが、ユニークなのは「駅前探検倶楽部」だろう。発着駅での検索や、運行情報があるほか、「おでかけ道案内」では、駅から目的地の順路を表示してくれる。試しに"日本カメラ"のみを入力して検索してみたところ、一発でヒット、住所電話番号と最寄り駅からの順路を表示してくれた。独自のシステムを用いており、検索も比較的高速にこなしてくれる。
 車でのお出かけに役に立ちそうなのは、"All About Japan"の"トラベル・レジャー・チャネル>ドライブ"。記事やコラムのほか、ドライブガイド、ドライブマップ、交通・渋滞情報、サービスエリアと道の駅といったリンク集が充実している。
*http://dir.lycos.co.jp/area/leisure/
*http://www.mapion.co.jp/
*http://www.mapfan.com/
*http://ekitan.com/
*http://allabout.co.jp/

〈TIPS-トップに戻る・URLを削る〉
 例えば、Lycosにリンクされている、「熱海梅園梅まつり」をクリックすると出てくるのは前シーズンの情報。そんな時は、ページの中に"トップに戻る"というようなリンクがないか見てみよう。このサイトでは、"あたみニューストップページ"というのがあったので、そこをクリックすると、熱海の情報全般が満載のサイト「あたみニュース」が表示され、ここの"熱海梅園梅まつり"というリンクをクリックすることで、今シーズンの情報を見ることができた。
 では"トップに戻る"というようなリンクがない時はどうするか。"http://www.tabijozu.ne.jp/~atami/ume/"というURLの最後の"ume/"を削ってみよう。同じように「あたみニュース」が表示される。ではそこからさらに"~atami/"を削ってみると…、「たび上手」という旅行に役立ちそうなサイトが表示された。要するに階層状に作られているサイトをさかのぼっている訳だが、場合によっては"404 Not Found"が表示されたり、関係ないサイトに行ってしまうこともあるものの、このように関連した他の情報を見つけられる時もあるので覚えておくと便利かも。

[Webアルバム]
 デジカメで撮った写真をどのように人に見せるか。メールの添付ファイルで送るのも一法だが、数が多い場合はそれもはばかられるだろう。もちろん自分のホームページを作ってもいいが、そこまでするのも面倒という人も多いに違いない。そんな時には、Webアルバムサービスを使ってみるのもいい。ファイルを送らずに相手の都合のいい時に見てもらうことができるだけでなく、大切な写真でWebアルバムを作っておけばバックアップにもなる。
 「Photo Highway Japan」では、簡単な会員登録をすれば、10MBまでの画像、音声、動画ファイルを、計100MBまでアップロードして、無料で自分のWebアルバムを作ることができる。自分だけで使う非公開、知り合いにだけ見せたい時のためのパスワード付公開、不特定多数の人に見てほしい時の公開を、アルバムごとに選べるので、自分の目的に合わせて使い分けられる。他にもコミュニティやプリントなどのサービスも提供されているので、デジカメで撮ったあとのコミュニケーションの幅を広げることもできるだろう。
 類似のサービスは、「Image Station」「Yahoo!PHOTOS」、もしMacユーザーなら「iTool」などでも提供されているので、それぞれの制限を確認しながら特色を試してみてみるといいかも知れない。
*http://www.photohighway.co.jp/
*http://www.imagestation.jp/
*http://photos.yahoo.co.jp/
*http://www.apple.co.jp/

[海外サイト]
 世界に繋がっているインターネットだが、実際には言葉の壁を感じて、海外のサイトをほとんど見ることがないという人も多いかも知れない。だが、関心のある分野ならば意外に身近に感じられるもの。
 例えば、「Leica」(ライカ)、「HASSELBLAD」(ハッセルブラッド)「Rollei」(ローライ)などでは、製品のラインナップを見ることができるのはもちろん、サイトのデザインもシンプルながら凝っていて、見ているだけでも楽しめる。
 あるいは、世界のさまざまな姿を伝える地球探検マガジン「NATIONAL GIOGRAPHIC」(ナショナル・ジオグラフィック)のサイトなども面白い。「NATIONAL GIOGRAPHIC」誌や姉妹誌に関連したコンテンツが満載で、"Photography"のコーナーもギャラリーが充実しているほか、壁紙をダウンロードしたり、添付写真付メールを送ったりすることもできる。残念ながら休刊してしまった「LIFE」(ライフ)も、サイトは健在。かつてのフォトエッセイや、表紙コレクション、特集号などを掲載しており見応えがある。
 インターネットで海外が近くなったことを最も実感できるのは、海外からネット通販する時ではないだろうか。多彩な商品を扱う「amazon.com」では、カメラや写真集を買うことができる。商品ラインナップが豊富なので、海外ではどんなネーミングで、どんなものを売っているのか、いろいろと探してみるだけでも楽しい。アメリカで最もメジャーなオークションサイト「ebay」で、海外のクラシックカメラ事情を探ってみるのも面白いだろう。見ていると買ってみたくなってくるものだが、実際に購入する場合には、スムーズにやりとりが進む限りさほど問題はないだろうが、万一のトラブルの場合には、やはり交渉のための多少の語学力が必要になってくることは覚悟しておこう。
*http://www.leica-camera.com/
*http://www.hasselblad.com/
*http://www.rollei.de/
*http://www.nationalgeographic.com/
*http://www.lifemag.com/
*http://www.amazon.com/
*http://www.ebay.com/

〈TIPS-翻訳サービス〉
 海外サイトを見る時、やはり言葉がまったくわからないと、どうしても縁遠く感じてしまうもの。翻訳ソフトなどもあるが、手軽に利用できる無料Web翻訳サービスがinfoseekとlycosから提供されている。試しにWeb翻訳サービスを使って、「Leica」や「NATIONAL GIOGRAPHIC」のトップページを見てみると、いわゆる翻訳調で、専門的な文章や長文は苦手な傾向があるものの、だいたいの意味を把握するには助けになるレベルには訳されているので、使ってみる価値はあるだろう。